★★★☆☆ 裏切られた思い 2005-02-25 名作「スターフォックス64」から8年。 キャラを借りただけのアドベンチャーではない、正統派シューティングとしてのフォックスの後継作として、多くのファンに期待されていたこの作品。 さて、ナムコは一体どのような答えを出したのでしょうか。まず良い点から。 対戦に関しては、流石に最初から力を注いだというだけあって、素晴らしい出来です。 乗り換えを駆使して陸で空で、銃で戦車で戦闘機でと戦うバトルは盛り上がること間違いないでしょう。 音楽もフルオーケストラで、重厚な仕上がりになっています。 残念な点を述べます。 伝統のトレーニングモードがありません。 あらゆるオブジェクトの印象が「軽い」です。壁や障害物にぶつかってもフワッと跳ね返されるだけです。 オールレンジでは、あろうことか敵巨大ミサイルに鼻面をくっつけたままずっと撃ち続けることすらできます。 結果として、隕石にも敵機にも全く重みや質感が感じられません。 ムービーへの繋ぎ方がまずく、ボスを撃破した後などの爽快感に著しく欠けます。 ディスク媒体ですのでロムカセットのようなシームレスな展開が難しいことは解りますが、それにしても切り方はお世辞にも上手いとは言えず。 ポーズ画面でBGMがストップしないため、画面の展開とBGMのシンクロによる盛り上げ、という手法も今回は取られていません。 様々な演出面での見せ方、ある意味ベタな格好よさが、64に遠く及びません。 地上面の導入自体への賛否はともかく、それによってゲームとしての敷居が高くなっているのは残念です。 シューティングというジャンルの先鋭化へのアンチ・テーゼとして64フォックスにおけるコンセプトの1つとしてあった、 「女の子にも遊んでもらいたい」作品というようなことはとても言えません。 なによりも、3Dスクロールの強制シューティングが、全10ステージ中3ステージしかありません。 目の前に次から次へと現れる敵をガンガン撃破してゆく、シューティングの王道である強制スクロール面が少ない、というのは 「スターフォックス」という作品にとって、非常にマイナスであるように感じます。 フォックスがやたらと饒舌になったのは、ストーリー展開上仕方ないことかもしれませんが、 しかし、おかげでプレイヤーとアーウィン、あるいは主人公であるフォックスとの一体感は大いに薄れてしまいました。 自ら仲間と共に路を切り開いてゆく感じがしない、ムービーとムービーの合間をプレイさせて貰っている、 プレイヤーが画面から疎外されている、そんな印象を覚えます。 ビビービビービビーはもう聞けない。 「全機報告せよ!」ももう聞けない。 ウルフチームとの最後の激闘も存在しない。 まだまだ言葉ではとても言い尽くせないのですが… 残念なのは、これが多くのファンが心待ちにしていたであろう「フォックス」であるとは、とても言えない、ということ。 「スタッフは皆スターフォックスのファンなんですよ。かっこいいスターフォックスを作りたかった」と聞きます。 それがリップサービスでなく事実であるならば、開発者とファンの気持ちは著しく乖離していた、 あるいは感覚がズレていた、と言わざるを得ません。 スターフォックスの名が無ければ、普通に良作の部類に入る作品だと思います。 しかしその名を冠している以上、ファンとしてはどうしても「何か違うな」という違和感を抱かざるをえないのです。 |